写真と、カメラと。

写真とカメラと過ごす日々と、旅のこと。

パリジェンヌ

緊急事態宣言によって、誰もが自宅で過ごす時間が増えたと思う。
私自身もいままでと違う生活を強いられ、別の事情も重なって、写真やカメラのことばかりだった日常から少し離れることで気持ちにゆとりが持てたことは幸せだった。
やりたくてもできなかったことに目を向けられる。

欲しかった本を今思い返して探ると中古であることが多いけど、それもあまり気にする方ではないので積極的に手に入れておこうと思っている。
本を読む時間があるなんて自分にとってはすごく贅沢。

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ある日、AmazonでIn Paris というベストセラー本にたどり着く。
(上の写真とは関係ありません)

実在するパリ在住の女性たちのライススタイルをファッションデザイナーJeanne Damasが撮りためた写真でつづられている。
ちょっと気になって〝試し読み〟をのぞいたら、今のリアルなパリジェンヌらしさがうかがえた。

そこには、90年代のベストセラーだったコンパクトカメラを片手に鏡越しのセルフィー写真を撮る女子。
そして素敵な赤いチャックのジャケットを羽織り、椅子に座ってじっとカメラを見つめる白髪の老婦人がいた。
とても凛として自分自身をしっかりと持っている様子がうかがえる。
一目見て、年を重ねた時に
彼女のような素敵な女性になれたらと思った。

パリはいつか訪れたいと思う街の一つ。
数々の写真家が撮影をしている街でもある。そうした写真集を目にすることも多い。
正直なところ、すでにありふれていて形骸化しているような感じも否めない。
だけど、その魅了される街を自分はどう見つめるのだろうと気になり始めたのは数年前から。

90年代に女子だった私が、赤いジャケットの老婦人に憧れて訪れるパリ。
なりたい女性のヒントがそこにある気がしている。

セルフィー写真の彼女の様に、ゆるやかにフィルム写真で撮るパリもきっといいだろう。
 
〝いつか〟は近いのではないだろうか。