写真と、カメラと。

写真とカメラと過ごす日々と、旅のこと。

GRに思うこと

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今、皆の熱が上がっているところでRICOH GRのことを。

私とGRの出会いは1996年の発売当時です。
当然ながら当時はフィルムカメラ
GR前身のRICOH R1 という超薄型ボディとグリーンというボディカラーの斬新さにとにかく驚いたものです。「すげー」の一言でした。

その当時のコンパクトカメラといったら35mmフィルムパトローネを丸っとっ包み込むようなデザインがほとんど。
しかもズームレンズ搭載というのが主流でした。
一眼レフは持てないけど、旅行や記念撮影にもっていくから家に一台はあったカメラ。そんなイメージです。正直言ってカッコよさのかけらもなかった。

そういう意味では、R1との出会いは今のGRシリーズよりもかなり衝撃的でした。( R1でどんな画が撮れたかというのは残念ながら覚えていないんですが。)

その2年後くらい、CONTAX Tシリーズをはじめとした高級コンパクトカメラの全盛期になるわけです。そこに登場したのがリコーGR1これまたスマートなデザインで「一線を画した」というのがリコーのカメラの印象です。
今でもそのデザインを受け継いでいるのはすごいこと。

GR1で撮影された描写に対して〝カリカリ〟という言葉を使っていた。ということを思い出しました。
写る画が、シャリシャリ、ザラザラした感じ。といえば伝わるかな。
今でいうノイズではなく、フィルム粒子です。荒い粒状ということ。
用いるフィルムによってその描写も変わるから、皆フィルム選びにこだわっていたものです。


森山大道さんがこのカメラを愛用したのも納得できます。

あの頃の写真・カメラ雑誌ではよくこの手の作風を目にしました。

 

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写真家がその時、その時のカメラを自分の作品に用いて表現していくというのはこの頃私自身が感じたことから変わっていません。

今やデジタルカメラの中にはメーカーの意図がたくさん盛り込まれていて、機能がたくさんありすぎて使えない、使いきれないという声も多いのですが、それをいかに自分の作品のための道具として昇華していけるかが問われているはずです。

同じカメラを皆が手にする。
その代表的なものはiPhoneですが、先日発売になったばかりのGRⅢもきっとそういった意味で「皆さんに新しい作品を生みだしてもらえたら」と考えられている気がします。

そして、カメラはきっと机の上でPCに向かうことよりもシャッターを押され、楽しんで使われることを望んでいるはず。

GRⅢの作品に多様性が生まれることを期待しつつ、わたしが写真家として、講師として、いつも願っていることです。


※二枚の写真はGR1で撮影したものです。

 

RICOH デジタルカメラ GRIII APS-CサイズCMOSセンサー リコー GR3 15041
 

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